校長室より

平成 30年度

9月

 「積土成山」(せきどせいざん)

  少しの土でも、積み上げていけばやがては山になることから、小さいことをおろそかにせず、努力を積めば大きな成果となる(同義:塵も積もれば山となる)という意味です。

   今から約200年前、全国を歩いて日本の地図を作った人物がいました。日本全国の正確な地図を作るために、自分の足で歩き実際の距離を測る地道な作業の積み重ねを最後まで行いました。

  その人物は、伊能忠敬という江戸時代後半に生きた人です。忠敬(ただたか)は、もともと地図職人ではなく、地球の大きさを知りたくて測量学を勉強した人でした。56歳から全国の測量を始め、全てをを終えるのにかかった歳月が15年以上というのですから驚きです。さらに驚くのは、そうして出来上がった地図が、現在の衛星写真と比べても大きな差が見られないことです。

  理論的に地道な測量を続ければ正確な地図ができることがわかっていたとしても、それを実践することはどれほど難しかったことか。測量のほんの少しの違いは、地球規模で考えると大きな誤差となって現れます。このことから、忠敬(ただたか)は細かいことをおろそかにせず、決して油断しない姿勢を自他ともに最後まで厳格に崩さなかったと言います。

  忠敬は高齢であり、1人ではすべてをやりとげることはできず、地図の完成を見る前に亡くなっています。しかし、その後、忠敬が貫いた妥協なく地図作りをする志を受け継いだ弟子たちによって、地図は完成します。

  忠敬(ただたか)の地図作りの最初の測量が、56歳からだと聞くと、なんとなく勇気をもらえる気がしますし、地図づくりの取組は、私達に2つのことを教えているのではないでしょうか。1つは、小さな事をおろそかにせず地道な努力を積み重ねることが、やがて大きな成果に結びつくのだということ。2つ目は、何かを目指すのに、始める時期が遅いことはないということです。

  たとえ目標に向かう取組のスタートが遅くなろうとも、努力の積み重ねをコツコツと妥協なく続けていくことができたら、今までとは違う友人関係や学力・運動能力向上が、一人一人の生活の中に目に見える形で成果として現れてくるであろうことを信じて止みません

 

8月

   2学期に向けて

 1学期の終業式の時に「自分の心(気持ち)や行動がどのように変わったか。2学期の終わりには自分らしい言葉で話すことが出来るようになってほしい。」という話をしました。
 「自分の心(気持ち)や行動が前と比べてこう変わった」と実感できるために、2学期は2つのことを心に置いて行動してもらえたらと思います。
 1つは、自分から思い切って飛び込んで実践してみることです。普段「いやだな」とか「ちょっとそれからは逃げたいな」と思うことがあると思います。実際、それらのいやなことから逃げてしまうことが多いのではないかと思います。しかし、そのうちの何か1つ、自分から思い切ってやってみようと決断してみることです。
 2つ目は、期限を決めてやり続けることです。1度これをやってみよう、と決めたら、1週間、または1ヶ月間等、期限を決めて続けてみることです。もし、その期限の間やり続けられたら、もう少し期限を伸ばして続けてみることです。
 1つのことをやり始めたけど、あきらめて止めてしまうこともあると思います。それは、それで仕方ありません。その時は、何か別の取組を1つ決めて同じようにやってみることです。
 やがて、2学期が終わる頃に、何か1つでも、また少しでも継続出来た事があれば、それが皆さんの心(気持ち)や行動が変化した事実そのものです。
 2学期の船中生の頑張りに、そして、心や行動の変化に期待します。

 

7月

    「相 乗 効 果」

  「相乗効果」とは、二つ以上の人や物事を組み合わせることで、単独より大きな効果を生むことを言います。この例は身近な料理の世界に見ることができます。日本食の美味しさの秘密は「うま味の相乗効果」にあると言われます。材料がもつうまみ味を複数合わせることで、その料理の美味しさが何倍にも増すのです。

   例えば、カツ丼に使われている主な具材は、肉、玉ねぎ、卵の3つです。それぞれの具材には、それぞれ違ううまみ成分が含まれています。それぞれ別々に食べても美味しいですが、それらを組み合わせることで、さらに美味しい味を引き出すことができます。これに鰹出汁と昆布出汁を合わせたツユを加えることで最強の味になります。一つ一つの具材と出汁との「相乗効果」がカツ丼の美味しさになっているわけです。

 一方、私達が行っている教育活動にも相乗効果をねらった取組例を多く見ることができます。現在、YOSAKOIパレードに向けて猛練習をしています。1年生から3年生まで息の合ったキレのある踊りの完成に向け、全身を使う練習を繰り返し行っています。また、皆で一斉にかけ声を発する、声だけの練習もあります。なぜ、このように違った2種類の練習をするのでしょうか。それは、キレのある踊りと気合いの入ったかけ声の「相乗効果」によりYOSAKOIの迫力を伝えより大きな感動を見ている人達に届けるためです。

   「相乗効果」は人間性の向上にも役立ちます。人間には個性があります。考えや意見、伝え方や行動は一人一人違い、長所や短所もあります。それぞれの長所を生かし切磋琢磨すること、そして、あきらめずに一つの目的に向かい続けることで多くの智恵やアイデア、勇気や行動が浸出します。その過程で生じる目に見えない「相乗効果」が一人一人の人間性を向上させます。

  1学期終了まで3週間となりました。切磋琢磨と不屈の取組の「相乗効果」を期待し、この期間がより充実度の高いものになることを期待します。

 

6月

   「守拙持頑」

 「しゅせつじがん(セツを守りガンをジす)」と読みます。夏目漱石が好んだ言葉と言われています。

 5月のゴールデンウイーク明けにバレー部が春の定期戦に参加し、つい先日、野球部が豊富町に遠征を行いました。この後、6月半ばには宗谷中体連大会の予選を兼ねた利礼三町の卓球大会が予定されており、各部ともに、7月の宗谷中体連大会に向けた練習がいよいよ本格化します。そこで、6月は「守拙持頑」を胸において一人一人の取組を頑張ってほしいと思います。

  「守拙持頑」は「自分流に、または、自分なりに、下手でも物事に向かって屈せずにやり抜く」という意味です。この言葉を学校生活にあてはめると「やり方は下手でも目標に向かって自分なりにやり抜く」そんな意味になると思います。

   部活動や学級、生徒会活動や行事において、27名の船中生は、何らかの形で様々な役割を担っています。その役割を自分なりにやり抜いていく気持ちをもって6月を過ごしてほしいです。

  まずは、各部の中体連の目標を達成するため、部活動における自分の役割をよく考え、屈することなく役割を果たしていくことを期待します。

 

5月

   あたりまえのことを一生懸命続ける

   昨年5月の全校朝会の時に「凡事徹底」(あたりまえのことを一生懸命に行う)を心がけましょうという投げかけをし、まずは、挨拶を頑張ってみましょうという話しをしました。1年間一人一人が意識し頑張り続けた結果、校内では元気の良い挨拶が響くようになり、また、地域の人から船中生の挨拶について褒めてもらう機会もありました。挨拶は、ごくあたりまえのことですが、大変嬉しく思います。今年度も挨拶を「あたりまえのこと」として、頑張ってほしいと思います。
 さて、挨拶の他に、一人一人にとって、どんなことが「あたりまえのこと」にあたるのでしょうか。それぞれの「あたりまえ」は、決して同じではないかもしれません。身の回りの誰もが「あたりまえだ」と思うことを自分の頭で考え、その「あたりまえ」を一つ実践し続けてほしいと思います。
 アメリカの大リーグで現在も活躍するイチロー選手は、今年45歳になります。既に数多くの記録を打ち立てていて、アメリカでも驚きの目で見られています。これから先も様々な話題で取り上げられそうですが、彼がこんなことを言っています。「小さいことを重ねることが、とんでもない所に行くただひとつの道だ」と。
 あたりまえのこと(ささいなこと)を頑張り続けることが成長する一つの方法になるとすれば、これに取り組まない手はありません。

4 月

新学期開始にあたって
                          船泊中学校 校長 齊藤 千智
 
 平成30年度の新学期が始まりました。始業式では、一人一人が「切磋琢磨」を意識して困難な取組にも負けずに頑張ってほしいという話しを2年生と3年生にしました。
学校行事や部活動、学級の取組や町内の行事等、今年度も様々な取組に子ども達は力を発揮してくれるものと思います。協力して励まし合い、時には競い合ってお互いを高めていく1年間にしてほしいものです。
 また、今年度は11名の新入生を迎え全校生徒数が27名となりました。生徒数が増えることは、何より嬉しいことです。元気いっぱいの新入生を在校生、及び職員一同、心より歓迎します。新入生には1日も早く学校生活に慣れ、先輩達と協力して新しい船泊中学校の伝統を築いてくれることを期待します。 
 今年度も子ども達一人一人を見守り成長に導くため、本校の教育活動推進に保護者皆様のご理解とご協力を心からお願いいたします。